第27回日本小児・思春期糖尿病学会年次学術集会
会長:神野 和彦
(県立広島病院 小児科)
この度、第27回日本小児・思春期糖尿病学会年次学術集会の会長を務めさせていただくことになりました県立広島病院小児科の神野和彦でございます。
本学会は1995年に第1回小児思春期糖尿病研究会として始められ、2018年4月より日本小児・思春期糖尿病学会として新たな歩みを始めて4年が経ちました。2020年より新型コロナウィルス感染症が世界中で流行し、2020年は学術集会が延期になりました。ワクチン接種が進みましたが、ウィルスの変異によりいまだ感染症を完全に抑制できない状況です。2022年6月現在、感染者の数は減少傾向にあり、社会的にはウィズコロナの時期に入り、本学会のときはさらに落ち着いていてほしいと思います。今後の感染状況にもよりますが、本会では全プログラムを現地開催で行い、後日一部をオンデマンド配信する予定です。会員の皆様、ぜひとも会場に足を運んでいただきますようよろしくお願い申し上げます。
今回のテーマである小児期から将来を見据えながら糖尿病診療を実際に行ってこられた本学会の新理事長の浦上達彦先生に特別講演をしていただきます。子どもが大人になるまでに乳幼児期、学童期、思春期それぞれのステージで何らかの問題に直面します。シンポジウムでは、4名の先生方、医師、看護師、栄養士、心理士、それぞれの立場で、これまで経験された問題点を振り返り、その反省をもとに、できる限りの早めの対策をどのようにとればいいのか、皆様といっしょに考えるプログラムを準備してまいりました。
本学会の目的の一つである小児・思春期糖尿病に関する研究の進歩および知識の普及を図るために、ランチョンセミナーでは大阪公立大学の川村智行先生に今年から日本で使用可能となったハイブリッドクローズドループシステムを有するインスリンポンプについて、岡山済生会総合病院の利根淳仁先生にCGM診療を効率的に運用するシステム構築とチーム体制についてご講演をしていただきます。
今回過去最高の一般演題36題のご応募をいただきました。会員の皆様には感謝申し上げます。すべて口演発表とさせていただきましたので、活発な議論を期待しております。
最後に、本学術集会にご参加された皆様にとって、有益な情報が得られ、日常診療や研究に役立ち、そのことが患者さん、ご家族のQOL向上につながりますことを祈る次第です。